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ささくれた名盤などについてのメモ他

東京殴り込みライヴ 完全盤

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東京殴り込みライヴ 完全盤 / 河内音頭三音会オールスターズ (2011)

河内音頭とレゲエ(ダブ)の相性の良さに最初に気づいた人と後楽園遊園地で握手したい。

このアルバムは、大阪の狂躁的な河内音頭演奏集団「河内音頭三音会」が、1982年に東京で演奏会を開催した模様を切り取ったものであり、慣れない場所で慣れた演奏を披露する演者の戸惑い、慣れない場所で慣れない音楽を眺める観客の戸惑い、そのどちらも耳から追体験できる怪盤となっています。

という能書きは無視していただいても結構ですが、軽やかにどこまでも弾きたくる三味線をエレキギターのカッティングと野太いエレキベースが支える、音頭取りがこれでもかとこぶしを効かせて情緒的に歌いあげる、というむしろダブバンドの形態に近いこの演奏は、音楽ジャンルの細分化による混迷を経た今の時代の耳から聞いても十分に新鮮です。まさに予想外のミクスチャー。
茫然としながら聴いていると、だんだん、自分が河内音頭を聴いているのかダブ※1を聴いているのかわからなくなってくる音ですが、そんなことを考えること自体が野暮というものでしょう。野暮というか、色即是空・空即是色なのです。※2



なぜ唐突に般若心経の文句など例に出したかといえば、僕は先日、真言宗の若坊主が荒々しく乱れ叩く大太鼓のリズムに乗せて300人で般若心経を繰り返し絶叫するという過激な現場に図らずも居合わせてしまい、「まずいなあ、うち、曹洞宗なんだがなあ」と困惑しながらも、熱心に絶叫する周りの中年連中の勢いに圧され思わず読経してしまう、という、曹洞宗徒らしからぬ行為を経験したからで、簡単に言うとなんとなくかっこつけて書き殴ってみたかったのです。

その場、実際に読経してみたところ、初めこそなんの感慨も感じ得なかったものの、強烈なビートに乗った真で言な野郎共のフロウが聴覚からハートを刺激し、地に足がついていないかのような浮遊感覚とともに徐々に虹色に光り輝いてゆく世界の中で、僕は自然と頬に涙が伝い落ちていることに気づいたのでした、ということは当然ながら全くなかったんですが、不思議な昂揚感を得ることができたのは確かです。これは予想外でした。

そして、その昂揚感はなぜかこのアルバムを聴いているときの感じに似ているのです。カタルシスなんて便利なカタカナ五文字では表現しません。これは、ただの昂揚感です。

そう考えてみると、一遍が提唱した時宗の踊り念仏などは原初の音頭とでも呼べるものである気がしてきますし、読経と音頭、さらには海外からスマートに吸収したヒップホップなどは地続きの文化である気もしてきます。

地続きの文化でもある気もしてきますが、正直そんなことどうでもいいですよね。
だって、色即是空・空即是色ですから。


※1 なお、このアルバムには、上の動画の音源をさらに過激にダブ処理したリミックスが収められており、その音源の鬼畜ぶりといえば桃太郎が鬼を嬲り殺すが如き有様なので、アルバムを手に入れた暁にはぜひそちらもお聴きください。

※2 全くもってどうでもいい話ですが、むしポケモンは虫ではないのか、という疑問に自分自身長い間答えが出せていません。仮に、モンスターボールに収まる=むしポケモン、収まらない=虫、という公式が成立するとしたら、偶然掌から転げ落ちたモンスターボールが他界寸前の森光子に当たり、光子がそのままボールの中に収まってしまったとき、「ひとポケモン」という新種が誕生してしまうわけで、それは現在の価値観で倫理的に強く非難される奴隷制度と何が違うのか、と思うのです。もはや光子は他界してしまいましたし、そもそも僕はポケモンに興味すら持っていないので本当にどうでもいい考察なんですが、こういう話を合コンなんかで真顔で話したときに普通に相手してくれるような女の子と結婚すべきだと僕は思いますよ。
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