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ささくれた名盤などについてのメモ他

Hard

Gang Of Four - Hard -2
Hard / Gang of four (1983)

超一級のゴミ名盤。

後追い世代の僕らが真っ当な神経でこのバンドに触れるのならば、まず手をつけるのは名高き1stであり、そのギャリギャリした音の衝撃に興奮冷めやらぬまま聴く2ndに心底がっかり、というのがもはや定説で、普遍的な現実であります。
パンクの肩肘を張り続けた1stの後、急激に瓦解しドロドロとした抽象的な音と溶けだした2nd以降のGang of fourは、リアルタイムの評論家連中からの評判もすこぶる悪く、4thに至ってはもはや1stの信仰者にとってのダミアンであり、踏み絵であり、のび太です。

しかしながら、Gang of fourファンですらない人間にとって、Gang of fourファンの戯言が何の意味を持ちましょうか。神武以来の天才と棋界で称される加藤一二三がいくら将棋に例えた高尚な人生哲学をぶちまけたところで、わくわくさんは一向にわくわくしないでしょう※1。感性のセンスが合わない輩の意見を鵜呑みにできるほど、人間はリスク管理できない動物ではないのです。
駄盤には駄盤のニーズがあり、このアルバムには光があります。

急激に瓦解しドロドロとした抽象的な音と溶けだした2ndをリリースしたGang of fourは、同路線をすりこぎでゴリゴリやってから泥沼で薄気味悪くほほ笑ませたような3rdを経て、この4thでは突如悪趣味に踊り出しました。



このアルバムには、あの人間カット野菜製造機とまで呼ばれた全盛期のギルはいません。小川を力強く遡るポロロッカのようなリズム隊も見えてきません。
ここにあるのは、ミッドとローを殺してミュートしながらテンテケテンテケとギターを弾くだけのテンテケおじさんと、それまで積み上げてきたものを足蹴にするような稚拙で単調なリズムパターン※2、それにただ暑苦しく雄たけぶかボソボソ喋るかだけのキング。たまに出てくる謎の女性ボーカル。

素敵じゃないか!(このターミネーター2のようなPV)

聴き終わった後、最高ですかー?と問われれば、不用意に最高でーすと答えてしまいたくなるほどの無駄な時間が楽しく過ごせますね。良かったですね。安心してください、アルバム全体を通じて大抵こんな中途半端な路線ですよ。

【まとめ】
僕は、なんでもアティチュードのせいと言ってしまえば許されるようなパンク音楽が嫌いです。にっくきパンク音楽。
これがパンクだ、これこそパンクだと言い切ってしまえば、音の良し悪し以前の姿勢の行間が評価される。評価されるために、評価なんて気にしないと公言する。その負のスパイラル。後出しじゃんけん。

このバンドの1stは捻くれてはいるものの、音はパンクの弟のようなもので、世間の評価のポイントはその表現手法の斬新さだけにあったように感じています。斬新さを求められた結果、自己満足にもこんなどうでもいい駄盤に至ってしまったこのバンドの不器用さ、悲しき才能の枯渇※3。そんなキャリアの迷走点をダイレクトに実感できることこそ、このアルバムの最大の聴きどころだと思うのです。

駄盤にはなんとなく無視できない愛らしさがあるんすね。ええ。

※1 僕はわくわくします。
※2 ここで言う「パターン」とは、壁に立てておいた発砲スチロール箱の蓋が風で倒れる時の音をイメージしています。
※3 なお、個人的にはこのバンドの才能の頂点は2ndであると思っていますが、賢明な皆様には3rdをおすすめします。
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